一般内科は、日常的によくみられる病気や、なにかしらの不調を体に感じた際に受診する診療科です。循環器や消化器など、特定の臓器や部位にこだわらず、全身の機能的な診療を行っていきます。具体的には、下表のようなケースが対象になります。
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患者様の診療にあたっては、丁寧な問診、視診、触診などを行い、必要と判断した場合は血液検査などの各種検査を追加します。これによって専門的な治療が必要と判断したときは、患者様の状態に応じて、当院と提携している専門の医療機関をご紹介いたします。
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膵臓は、インスリンと呼ばれるホルモンを分泌しています。糖尿病は、このインスリンが分泌されなくなったり、インスリンの効きが悪くなり、慢性的に高血糖状態になる病気です。私たちが食事をすると、血液中に含まれているブドウ糖が増えるのですが、健康な人ならばインスリンが働くことで細胞へと取り込まれ、血糖値は元の数値へと戻るようになります。ただし糖尿病になってインスリンが作用不足を引き起こすようになると、血糖値は高いままとなってしまうのです。
なお、糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病などのタイプがあります。このうち1型糖尿病は、主に自己免疫疾患によってインスリンを作成する膵臓のβ細胞が破壊されてしまい、インスリンがほぼ分泌されない状態です。比較的に若い世代の患者様が多いのですが、成人期以降の患者様もいらっしゃいます。治療に関していうと、インスリン療法が基本となります。
一方、2型糖尿病は、中高年世代が多く、日本では全糖尿病患者様の9割以上を占めています。主な発症原因ですが、長年にわたる生活習慣の乱れによって起こりやすくなります。ご飯を食べ過ぎる、お酒を飲み過ぎる、定期的な運動を行っていない、タバコを吸う、といった方は糖尿病になりやすいので、十分にご注意下さい。治療に関していうと、食事療法や運動療法に加え、血糖値を下げるための薬物療法を行っていきます。
高血圧は、文字通り血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されてしまう病気です。診察室で測定した場合の血圧が140/90㎜Hg以上、家庭で測定した場合は135/85㎜Hg以上が基準となります。血圧自体は刻一刻と変化しており、緊張しているときは高くなります。そのため、一度血圧を測って高かったからと言って、すぐに高血圧とは診断をつけませんし、その後に基準値内に下がれば、一概に高血圧とは言えません。血圧のいつも高い状態が継続していることが問題になるのです。
治療に関していうと、まずは食事療法や運動療法を行います。とくに塩分の摂取量は1日あたり6g未満にします。肥満の方は、体重コントロールも行います。こうした対策だけでは血圧が下がらないときは、薬物療法を取り入れます。なお、一度薬を飲み始めたら、一生やめられないと思っている方が少なくないようですが、食事・運動療法の継続により症状が改善してくれば、薬の量を減らしたり、やめたりすることも可能です。
私たちの血液の中には、コレステロールや中性脂肪が含まれています。このうち、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増えすぎたり、HDL(善玉)コレステロールが少なくなりすぎたりする病気が「脂質異常症」です。脂質異常が続くと、血管の壁にコレステロールなどの脂質が付着していき、血管の内径が狭窄します。動脈硬化が促進していくため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まります。そのため、お薬を使って脂質の異常値を是正させていきます。
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高くなりすぎる病気です。内臓脂肪の蓄積などによって脂肪細胞からたくさんの遊離脂肪酸が分泌されるようになると、プリン体の代謝が過剰になり、老廃物である尿酸がたくさん作られるようになります。これに伴い、高尿酸血症になってしまうのです。
なお、高尿酸血症になっても、初期の段階ではほとんど自覚症状がみられません。しかし、放置していると尿酸塩が足の親指の付け根などに蓄積されていきます。さらに進行すると、尿酸が関節の中で固まって結晶になり、その結晶を異物と認識してたくさんの白血球が集まってきて排除しようとするために炎症が起こって、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。このような痛みのことを「痛風発作」といいいます。
治療に関していうと、高尿酸血症の場合は、主に食事療法と運動療法、薬物療法を行います。食事療法では、カロリーの摂り過ぎに注意するだけでなく、プリン体を多く含む食品を控えるようにします。また、水分を十分に摂ることも大切です。尿の量が増えると、尿酸の排泄量が増加しますし、尿路結石の予防にもつながります。ビールなどのアルコール飲料は尿酸値を上げる作用があるため、飲み過ぎないようにして下さい。また、医師が必要と判断すれば、尿酸の体内での生成を抑える薬や尿酸の排泄を促す薬などが処方されますので、指示通りに服用して下さい。
不眠症は、小児期や青年期には少ないのですが、加齢とともに増加していき、中高齢期になると急増します。夜寝つきが悪い、眠った状態を継続できない、朝ひどく早く目が覚める、眠りが浅くて眠った気がしないなどの症状が続くため、日常生活にも影響がでます。例えば、日中の眠気によって仕事の効率が落ちたり、注意力が散漫になって人とのコミュニケーションに支障をきたしたりします。
なお、眠れない状態を放っておくと、眠ることに対する不安やこだわりが強くなり、ますます眠れなくなるという悪循環に陥りがちです。そのため、患者様のタイプを見極めたうえで、それぞれの原因に応じた治療を進めていきます。基本的には薬物療法を行いますが、さらに生活習慣の見直しなどもアドバイスし、睡眠状態の改善に努めていきます。
骨粗しょう症は、骨密度や骨質が低下してしまい、骨がもろくなってしまう病気です。あまり自覚症状はみられませんが、転倒など、ちょっとしたことで骨折します。高齢者の場合、大腿骨の付け根などを骨折し、それをきっかけに介護が必要になってしまうケースも少なくありません。
治療に関していうと、まずは食事療法と運動療法を行います。食習慣の見直しでは、カルシウムやたんぱく質を積極的に摂取します。カルシウムの吸収を促進するビタミンDやビタミンKなどの栄養素も十分にとるよう心がけましょう。その一方で、糖分を摂り過ぎないことも大切です。喫煙習慣のある方は、すぐにでも禁煙することをお勧めします。
運動療法では、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動を毎日30分程度は行います。こうした負荷を骨にかけることにより、骨を作る細胞が活発になります。なお、すでに骨粗しょう症が進行している方は、無理な運動で骨折してしまう危険があります。必ず医師にご相談の上、行うようにして下さい。
食事療法や運動療法だけでは十分な効果がえられないときは、薬物療法も行います。このなかには、骨吸収を抑制する薬、骨形成を促進する薬、骨の主要な成分となる薬などがあるので、患者様にとってふさわしいお薬を使用します。
個人差も大きいのですが、女性は30代後半から女性ホルモンの量が徐々に減少していき、50歳前後で閉経となります。この閉経を挟んだ45~55歳ごろの約10年間を一般に更年期と呼んでいます。この時期は女性ホルモンの分泌量が急激に減少してくるので、その変化に体が対応し切れずに、様々な不調が起こります。具体的には、ほてり、発汗、のぼせ、手足の冷え、肩こり、尿漏れ、疲れやすい、イライラ、うつ、だるさ、不安、不眠などの症状に悩まされます。
このようなときは、当院をご受診下さい。必要な検査を行ったうえで、主にお薬による治療を開始します。卵胞ホルモンと黄体ホルモンを投与するホルモン補充療法が一般的な治療法ですが、そのほかにも、抗うつ薬や抗不安薬を使用して症状を改善させていきます。患者様によっては、カウンセリングや漢方療法を併用するケースもあります。